帰宅欲求

身内の者が有料老人ホームに入所したと以前書きました。その身内は私の父親なのですが、先日、その老人ホームに面会に行きました。職員の方に状態について訊くと、とにかく帰宅欲求(願望)が強くて困るとのことでした。

今いるところが自宅ではないとわかっているから、家に帰りたいと言うのでしょう。本人はもともと住んでいた場所に帰りたいのです。これはごく普通の感覚です。言われる職員の方は困りますが…。

認知症はありますが、今いる場所の認識(見当識といいます)はあります。見当識は今の日付、季節、時刻、場所などの自分の状況について認識することです。見当識があいまいな状態を、失見当や見当識障害といいます。

父の場合は、今のところ場所についての見当識は保たれているようですが、入所するまでの経緯や自宅に戻れない状況は理解できません。なので帰りたいと言いますが、帰宅欲求は普通の欲求です。

今後、老人ホームが落ち着ける場になるのかはわかりませんが、今私にできることは面会くらいです。少しは自分の居場所と思えるように、興味のありそうな本や雑誌などの差し入れもできます。

今日も仕事の後、面会に行ってきます。

12月 28, 2012

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