コンダクターとメンバー

ある医療機関のグループサイコセラピーに参加していて感じました。

約一か月間、コンダクター(グループの司会進行および助言者)のピンチヒッターをしていたのですが、本当の担当は、ベテランソーシャルワーカーで、今回はしばらくお休みされていました。私がそのベテランの方と同じように支援ができるわけもないのですが、今回その方が復帰されて一緒にグループに参加して気付いたことがあります。

参加するメンバーの方は、グループ内で発言するのですが、それは主にコンダクターに向けて話しています。そのため、メンバーの方の話す内容や、話し方はコンダクターが交代すると大きく変化します。

これは、コンダクターとメンバーとの関係性によって変化するともいえます。コンダクターをどのようにメンバーが捉えているかによって、発言が変わるのです。そのことにようやく気付きました。基本的なことなんでしょうが…。

ただ単に、コンダクターを父のように思うのか、母のように思うのかということだけでなく、教師、兄弟、子供など色々な要素が入り混じっている感じです。そのような人物だけでなく、好き、あたたかい、優しいなどの形容詞も含むように思います。そして、その各要素のボリュームがメンバーによってそれぞれ異なるような印象です。とても幅の広いエゴグラム(自我状態のグラフ)のような感じです。

そのようにコンダクターを捉えるから、自分の発言をその対象(コンダクター)にぶつけられるのだと思います。その結果、コンダクターからの反応によってメンバーが自身の考え方や行動などの傾向や特徴に気付き、それを修正することによって、アディクションからの回復(もしくはアディクションに関わることからの回復)を実現します。

しかし、私はこのようにはできないので、少し残念な感じがしました。コンダクターに向けるある捉え方を持ってもらえるようにするには、コミュニケーションが必要です。つまり、コンダクターの反応する内容によって、ある捉え方が発生するのです。

コンダクターに
優しく励まされたら
厳しく叱責されたら
わかりやすいアドバイスをもらえたら
明るい未来に導いてもらえたら

メンバーのコンダクターに対する捉え方は大きく異なるはずです。このような反応が私は苦手のようです。

この捉え方は、一種の感情転移といってもよいのかもしれませんが、もう少し複雑のようにも感じます。この記事も私の頭の中もメチャクチャになってきましたので、また少し整理してから書きたいと思います。

今は、ベテランソーシャルワーカーの復帰をお祝いし、感謝したい気持ちでいっぱいです。

2月 7, 2013

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