アンケートの目的

以前、アンケート(質問紙調査)について書きました。先日また、アンケートの依頼があり、この前は子育てに関するアンケートでしたが、今回は体罰に関するアンケートでした。今の時期、学校としては、アンケートを行っているという事実が必要なんでしょう。

このアンケートの導入部分には、用語の説明(体罰はどういうものか)が記載されていたので、好感が持てました。

しかし、回答欄に記名することができるようになっていたのが残念でした。もちろん匿名で回答してもよいのですが、もし自分以外の全ての人が記名した場合は、匿名の意味がなくなってしまいます。

アンケートによる調査は、多くの負担がかかります。調査費用や人件費、アンケートを作成する時間などの調査側の負担、回答する時間や心理面などの回答者側の負担が考えられます。

なので、調査で得られた結果や考察は、その現場で十分に活用できるものでなければならないのです。少なくとも、その負担に見合った結果や考察が必要です。当然ながら、アンケート調査を行う当初の目的を達成する必要もあります。

おそらく、このアンケートの目的は、体罰があるのかどうか知りたいということでしょう。また、体罰があるのであれば、どのような場面でどのような内容で行われているのか知りたいということでしょう。

記名で調査を行うと、回答にバイアス(偏り)がかかります。素直に回答しづらくなるということです。とすると、記名で調査を行うと、当初の目的を達成できなくなる可能性があります。

しかし、記名で調査を行うことによって、追跡調査を行い原因を追うことができることも確かです。その後の学校側の対応ができるのです。

アンケートを行っている事実、バイアスがかかること、その後の対応ができることは、調査者である学校にとっては必要なことだと思います。つまり、それが本当の目的なのでしょう。アンケートは純粋な目的だけで行われるわけではないのです。

3月 5, 2013

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