訴えに対して

先日、老健(介護老人保健施設)に入所している父親に面会してきました。1月に書いた記事には、有料老人ホームに入所しているとなっていたと思います。

経済的な理由、リハビリの必要性、認知症症状の軽快から、先月同じグループ内の老健に移りました。

リハビリによってふらつきながらも歩行できるようになり、認知症も失見当(場所や時間がわからなくなること)や記憶のあいまいさなどはほとんど気にならなくなりました。

しかし、面会に行くと自分の希望ばかり訴えます。慣れない施設でいろいろ不満はあるのでしょうが、聴いていると疲れる部分もあります。以前、訴えはデマンド(要望)であり、専門的にみれば、訴えは素晴らしいこととなると書きました。しかし、なかなか父に専門的に関わるのは難しいようです。

父は施設を出たら一人暮らしをすると言います。他の家族と一緒に暮らせないのはわかったから、一人暮らしをすると言うのです。だから、ベッドや机、テーブル、ノートパソコンが必要とのことでした。

「今までのことを考えてよ」と言いたくなりましたが、入所する前1か月くらいの記憶はほとんどないようなので、その言葉は意味がありません。

とりあえず、そのような希望を持つことは良いことと伝え、他の家族に手紙を書くことを提案しました。

訴えに対して、「現実的でない」「方法が間違っている」と否定したり、「具体的にどうするのか」と質問するのは簡単です。しかし、施設で生活していて、たとえ非現実的だとしても未来に対して希望を持っているということは、支持すべきです。

その希望を持ちながら、他の方法を探ることが、父の場合は妥当であると思いました。

3月 15, 2013

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