言葉をハンガーに

カウンセリングをしていると、ある言葉をクライエントにお土産のように持ち帰ってもらいたいと思うことがあります。カウンセリングは言葉での支援ですから、当然のことですが。

お土産にするには、色々と工夫が必要です。そのままの言葉では、家に帰る前に壊れてしまったり、どこかになくなってしまうこともあります。酔っぱらったお父さんのお土産の定番は、折詰のお寿司でしたが、すし詰め状態にしてもらわないと、ぐちゃぐちゃになってしまいます。

言葉は、きれいに箱に詰めるのではなく、心にうまくひっかけることが必要です。ひっかけて、そして後でちらちらと見えることが大切です。そのためには言葉をハンガーにかけて、クローゼットにしまってもらうことです。ハンガーにかけないと、積み上げられて、そのうち段ボールに入って探すことができず忘れ去られてしまいます。また、クローゼットにしまわないとせっかくハンガーにかけても汚れてきてしまいます。

クライエントに、ハンガーにかけてクローゼットにしまってもらうためには、特別でないといけません。繰り返し、コンプリメント、関連付け、メタファー、冗談…どのようにすると言葉が特別なものになるのか考えています。

4月 10, 2013

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