おかしな質問

家族療法では、家族同士で話し、普段の会話に近い状況でそのやり取りを見る方法として、エナクトメント(enactment)という方法が知られています。エナクトメントは、実際の家族間のコミュニケーションを面接場面で実演してもらいます。そのため、実演化技法ともいわれます。そのやり取りの間は、カウンセラーは介入しません。

家族同士での普段の言い合いや、逆に行ったことのないやり取りをカウンセリング中に実演していただきます。そのため、エナクトメントは、カウンセリングの中でも、何かの変化を期待できる効果的なやり方だと思います。

「さあ、そのことについて、ご家族同士で話してください」と言葉や身振りで促すのですが、できれば、自然な形でやり取りが始まるのが理想です。

先日のセッションでは、私のおかしな質問に答えない形で、エナクトメントが始まりました。そんな的外れな質問に答えるくらいなら、自分で訊きたいことを直接家族に訊いてやるといった感じです。クライエントの方が気を使ってくれたのかもしれません。

たまには、おかしな質問も役に立ちます。

5月 29, 2013

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