連携と協働

介護・医療の分野では連携や協働の重要性が指摘されています。連携と協働は似たような言葉に感じられますが、専門的には区別しています。連携は連絡を密にし、情報共有を進めるといった意味で、協働は相手の専門性を理解して、有機的につながるといった意味を持ちます。

少し前のチームアプローチに関する研究では、マルチモデル、インターモデル、トランスモデルとチームを分類していました。マルチモデルは手術室の中のような役割が明確に分かれている関係、トランスモデルは障害者の作業所のような各職員の業務が相互乗り入れしているような関係、インターモデルはその中間のような関係でした。現在はそのような分類をせずに、協働をインタープロフェッショナル・ワーク(IPW)といって、それぞれの現場で必要とされるIPWがあるとしています。そのために、現在の医療従事者の教育課程では、このIPWを意識した教育(インタープロフェッショナル・エデュケーション:IPE)が行われています。

協働においては、情報を共有することだけでなく、共通の目標を持つことが必要とされています。介護保険の分野では、共通の目標の設定はケアマネジャーの役割ですが、利用者の方やご家族が求める本当の意味での目標を確認することはなかなか難しいと思います。これは、私も含むケアマネジャーの多くが、サービス事業者の専門性を十分に理解し、尊重できていないからかもしれません。連携はできても、協働は不十分であるということがあります。

12月 10, 2012

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