本人のニーズ
引き続き、有料老人ホームに入所している父のことです。昨年の面会時には、自宅に戻れないことは理解できたとのことでしたが、今後の方向性をどうするかという点については訊けなかったので、今回は、その本人のニーズ(正確にはデマンドといいますが)を確認しました。
方向性といっても、自宅では生活できないので、自宅以外のどこで生活するかということです。選択肢は限られます。
まず、入所するのか、入院するのか。現在の状態は血圧が多少高いくらいで落ち着いているので、入院する必要がありません。入所となりますが、介護保険施設だと、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム:特養)と介護老人保健施設(老健)が挙げられます。特養は終の棲家、老健は基本的にリハビリを行い、自宅に戻るための施設です。しかし、特養はすぐには入れません。要介護度はまだ出ていませんが、要介護4や5になる可能性も低いので、まず特養の入所は不可能でしょう。
老健は可能性が高いです。場所も含め、どこの施設を選ぶのかということになります。あとは、現在の有料老人ホームに続けて入所していることやグループホーム(認知症対応型)が選べますが、経済的な問題があるので、状態が変わらないのであれば、選びにくい選択です。
以上について、本人に簡単に説明した後、ニーズについて確認すると「良くわからないが、どこに居てもよい」とのことでした。どこに行きたいかと訊かれても、うまく答えられないというのです。確かに、ある程度理解力・判断力が回復したとはいえ、今後こうしたいというニーズを明確に表現することはなかなか難しいことです。とりあえず、保留としました。
父としては、全く現金を持っていないので、お小遣いが少しほしいと言います。何に使うか尋ねると、缶に入ったお茶を飲みたいと言うのです。父が表現できる今のニーズは、このくらいです。
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