治療的

先日、いつもお世話になっているPSW(精神保健福祉士)のOさんと話していました。

Oさんが担当している患者さんがとても良くなったと話していたのですが、Oさんは絶対に自分の支援の結果とは認めません。その患者さんは、昨年までと比べて明らかに変わっているのにもかかわらずです。

私は、Oさんの支援が効いたのではないですか?と何度も訊いたのですが、Oさんは、「患者さんの力がそうさせた」「たまたまよくなった」「薬が変わったから」と言います。

Oさんは、ソーシャルワークの治療的アプローチについてはあまり興味がないようです。治療的アプローチはソーシャルワークの治療モデルとして知られていますが、つい私も「治療的」という言葉を使ってしまうことがあります。このあいまいな「的」が何を意味するのか疑問に感じていました。

てき【的】
1.名詞に付いて、形容動詞の語幹をつくる。
ア)そのような性質をもったものの意を表す。「文学―表現」「詩―発想」
イ)それについての、その方面にかかわる、などの意を表す。「教育―見地」「政治―発言」「科学―方法」
ウ)そのようなようすの、それらしい、などの意を表す。「大陸―風土」「平和―解決」「徹底―追求」
<デジタル大辞泉より>

治療のような性質のアプローチ
治療の方面にかかわるアプローチ
治療らしいアプローチ

「的」について調べてみるとこのようなので、治療的アプローチは、治療そのものではないが、それに近い性質をもったアプローチ(接近法)であるといえます。まあ、その通りですね。

Oさんは、この「的」に対して違和感を持っているのではないかと思います。結果、治療に近い形になるかもしれないが、支援はそれを目指しているのではなく、良くなるとしたら、それはクライエントの力であるということがOさんは言いたいのですね。

素敵です。

2月 5, 2013

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