グループの共通性と個別性

グループワークによるアプローチにおいては、メンバーの共通性と個別性に意識することが求められます。

アディクション(嗜癖)のグループにおいては、共通性はいわゆるアディクションアプローチに準ずることが多いようです。そのため、どうしても共通の現象に対して、共通のメカニズムで説明することが求められます。いわゆる共依存やACといった用語を使用し、アディクションの文脈で読み解くと…などとコンダクター(グループの司会進行および助言者)は説明します。

この共通性を中心としたやり方は、心理教育的な側面もあり、効果的であると考えられます。しかし、人の生活を見てみると、共通していることよりも個別の現象のことがはるかに多いことに気づきます。特にメカニズムについて説明しようと思っても、その原因や理由が良くわからないことが多いのです。

そもそも、原因があるのか、何が結果なのかも良くわかりません。

そこで、個別性に目を向けると、グループのメンバーはだんだんその話に関心がなくなります。自分には関係がないと感じてしまうのでしょうか。また、個別性のみにしてしまうと、アディクションという括りのような、同じ目的で参加している枠組みが明確でなくなるので、グループで行う意味が薄れてしまいます。

あまり個別性に偏るものグループにとっては望ましくないのです。ここらへんのバランスが大事なんですね。

4月 17, 2013

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