デフォーカス

あるシステムズアプローチの有名な先生の講演会で聴いた言葉です。これは、ブリーフセラピーで使われる用語ですが、ある物事に対する焦点について表現しています。

物事に対して、顕微鏡のように焦点(フォーカス)を合わせるのですが、物事の手前で焦点を合わせるとオーバーフォーカス(過焦点)、物事の奥で合わせることをアンダーフォーカス(焦点不足)といいます。このような焦点ずれをデフォーカスと表現しています。また、焦点をきっちり合わせることをジャストフォーカスといいます。

講演会では、カウンセリングをする上で、デフォーカスを意識して質問せよと聴きました。

先日、相談のあったある男性は、会社で部下とトラブルになり、悩んでいるということでした。ジャストフォーカスすると、なぜそのようなトラブルになったのか、部下とのやり取りはどんな状況だったのかと質問すると思います。

デフォーカスすると、部下の特徴、トラブルを起こした夜の行動、クライエントの交友関係、仕事内容、趣味などを訊くかもしれません。

解決を構築する時には、デフォーカスすることが大切なんですね。ジャストフォーカスすると、クライエントが話す内容が、そのトラブルのことばかりになってしまいます。多くは、自分は悪くない、部下が悪い、原因はこれなんだということになるでしょう。クライエントが原因をどのように捉えているかということも大事なのですが、それだけではなかなか解決に至らないことが多いです。

このクライエントの場合は、デフォーカスする中で、友人がたくさんいること、今回もいろいろ良いアドバイスをもらっていること、職場の同僚にも恵まれていて、上司には認められていることがわかりました。

クライエントは、このような点を自身の言葉によって確認し、自身で解決できる力があることに気付けるのだと思います。

9月 15, 2013

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