優先順位

作業A、B、Cがあります。A、B、Cの順で作業を行う必要があります。しかし、Aの後にBではなく、Cを行ってしまう人がいます。このことを不思議に感じ、専門家に相談しました。

専門家は、「発達障害をお持ちの方には、そのようなことが認められる場合があります。一度にA、B、Cと指示するのではなく、一つ終わったら、次を示すなどが良いと思います。また、一つ終わったら、スタンプやシールを貼るなどの工夫をすると良いと思います。」とアドバイスいただきました。

この専門家の専門は、発達障害者の支援でした。スタンプやシールは、行動療法におけるトークンエコノミーを応用していますね。次に、発達障害をお持ちの方に同じ質問をしてみました。

その方は、「私たちは、A、B、Cの内容としての重みづけが理解できないのです。なので、なぜこの順番なのかを良く説明してほしいのです。想像力が多少足りないことが多いので、順番を変えてしまうとどうなるのか説明してほしいのです。また、自分が人と違うことをしたくなっちゃう時もあります。」と専門的に教えていただきました。

なるほど、説明なんですね。作業の内容だけでなく、順番の意味が大切なんですね。良くわかりました。

専門家の方は続けます。「発達障害でなくても、Cが好きなことなら、Bより先にやるのが普通ですよね。私も絶対Cをやります。」

いや…、そういう話ではありませんが、言わんとすることは理解できます。優先順位を決める際に、自分がやりたいかどうかで決めてしまうということですね。いわゆる快楽原則というやつです。

「快楽原則」はフロイトの言うところの、快楽を求め苦痛を避けるということです。対になるのは、「現実原則」で現実の制約と行為の結果を計算に入れるということです。

優先順位を決めるということは、どの順番で行動をするかということを決めることですから、色々な制約の中で、どのような結果になるかを想像する必要があります。それを行わないと、自分の快楽だけを求めるということになります。

快楽原則で生きていくこともできます。優先順位を決めることなく、行動の結果を考えることもなく…。しかし、それは、大切なものを失うことに繋がりかねません。

先日も、優先順位を考えることなく行動し、ある人間関係が崩れた人がいました。取り返しのつかないことになったようです。

優先順位は、決められる人は決める、決めることが難しい人は誰かに決めてもらい、その理由を十分に説明してもらうことが大切ですね。

9月 3, 2015

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