呼称
クライエントやサービスにおける利用者さんをどのように呼ぶのか、色々と議論があります。高齢者介護の分野では、対象者は高齢者ですから、敬語を使い、○○さんと呼ぶのが正しいとされています。
カウンセリングにおいては、ジョイニングやリレーションを優先して、あえて敬語を使わなかったり、呼称もその時によって変化させることがあります。家族療法などで家族内の役割を重視している時は、わざと「ご主人」「お兄ちゃん」「おばあちゃん」などと言うことがあります。まあ、家族ですと、同じ名字の方が揃うことが多いですから、名字で呼ぶと誰のことがわかりませんね。
このように呼ぶと、役割もそうですが、誰からの視点で話しているのかという意味を持たせることもできますね。「ご主人」であれば妻からの、「お父さん」であればお子さんからの視点のような感じです。また、家族内の呼び方で呼ぶこともありますね。これは、うまくジョイニングできてからかもしれませんが「さっちゃん」とか「しょう君」などですね。私はほとんどできませんが。
しかし、障害者サービスの場合は、少し違うように思います。特にグループで行っているサービスですと、平等性を大切にする必要があります。
なので、ミックス練習室における利用者さん(メンバー)の呼称は○○(名字)+さんが基本です。たまに同じ名字の方がいらっしゃるので、その時は名前+さんとしています。利用者さんが男性でも、未成年でも同様です。そして、絶対にニックネームで呼ぶことはありません。もし呼ぶなら、全員にニックネームをつけたいですね。
と私は思っているのですが、これはなかなか実践するのが難しいようです。良く聞く反対意見としては、よそよそしい、堅苦しい、仲良しの感じがないなどです。
練習室は自立訓練(生活訓練)の事業所です。2年間という決められた期間の訓練で、次のステージに羽ばたいていきます。いつまでも○○ちゃんや○○君では、自立した生活も遠ざかってしまうように感じます。また、高齢者のように年長者ではないのですが、メンバーをリスペクトしているので、○○さんとしか呼べないということもあります。
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