ひきこもり講演会の反省(3)

ひきこもりの原因はなんでしょうか?

学校時代のいじめ、職場での不適応、コミュニケーションの困難さ、やりたいことがあるなどでしょうか。講演会でもしつこいくらいに、原因を確認しました。すると、ある参加者の方から「原因ばかり追求しても仕方がない。原因なんてわからない」というご意見がありました。

まさにその通りで、そこが私の言いたいことでした。

ひきこもりの原因なんてわからない。わかったとしても、その原因は複合的であるか、多くは過去のことである。

ある結果に対応する原因を明らかにして、その原因に対する対処方法を考えることは、一般的です。直線的因果律といいます。
足が痛い(結果)ときに、歩きすぎたのかな(原因)、少し休みましょう(対処)
下痢(結果)をしたときに、お腹を冷やしたのかな(原因)、腹巻をして様子を見ましょう(対処)
などですね。最近、腹巻は見なくなりましたが…。

この考え方は、医学モデル、修復モデル、感染症モデルといわれるものですが、これはこれで、とても大切な考え方です。多くの疾患は、このモデルで治療されてきているわけです。

しかし、ひきこもりをはじめとした、家族の中で、そして生活の中で起こる事柄については、このような直線的因果律では解決できないことが多いのです。そのため、家族システムでは円環的認識論が重要であるとされています。

9月 17, 2018

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